航空特殊無線技士。これを業務で使われる方というのは、果たしてどれ位いらっしゃるのでしょうか?受験生を見渡してもそれっぽい雰囲気を持っている方というのは、見受けられなかったです。
やはり管理人ソウのように、取得してきた無線の知識の腕試しの方がほとんどなんじゃないでしょうか?
管理人ソウは2018年3月に取得しました。無線従事者免許取得順は7番目になります。二海特→四アマ→三アマ→二陸特→一陸特→一海特→航空特。
本試験合格に向けて最大の特徴である電気通信術 電話(送話、受話)、いわゆるフォネティックコードについて、実際どんなことを試験会場でやるのか・どんな雰囲気なのかという情報があまりないので、そのあたりを詳しくしていきたいと思います。
■無線従事者免許種類
■特殊無線技士とは?
法規の試験問題に頻繁に出てくるフレーズがあります。
「外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術又は通信操作」
特殊無線技士はこのフレーズに尽きると思います。(例外あり)
外部の転換装置・・・いわゆる無線機器のスイッチ類
電波の質・・・周波数やら出力などようは無線機器を分解し改造してはならず、そのまんま取扱説明書の通り使ってくれという理解で良いと思います。
■航空特殊無線技士とは?
1.航空機(航空運送事業の用に供する航空機を除きます。)に施設する無線設備の国内通信のための操作を行うことができます。
1.航空局(航空交通管制の用に供する航空局を除きます。)の無線設備の国内通信のための操作を行うことができます。
キーワードとして、「事業の用~除き」「航空交通管制の用~除き」「国内通信」が出てきます。平たく言うと、航空機を仕事として使ってはならず、管制として使ってはならず、国内通信のみという事ですね。趣味としての自家用航空機を嗜んでる方のみ必要な無線従事者免許になります。
■試験概要
公財)日本無線協会のHPより、インターネット申請(電子申請)が便利です。
試験日時の2ヶ月前から申請可能です。ただ、試験手数料の払込は郵便局の「振替払込用紙」を使用しなくてはならないです。
早くネット銀行で手数料払込が出来るようになると良いですね。
📡公益財団法人 日本無線協会
http://www.nichimu.or.jp/
■試験日時
・6月期
・10月期
・2月期
■試験地
・東京本部と各支部
(東京、札幌、仙台、長野、金沢、名古屋、大阪、広島、松山、熊本、那覇)
■試験科目
1、無線工学
無線設備の取扱方法
(空中線系及び無線機器の機能の概念を含む)
2、法規
電波法及びこれに基づく命令の概要
3、電気通信術
電話 1分間に50字の速度の欧文(運用規則別表第5号の欧文通話表によるものをいう。)による約2分間の送話及び受話
1、無線工学・・・1問5点で12問、60点満点中40点で合格※
2、法規 ・・・1問5点で12問、60点満点中40点で合格※
※無線工学と法規は合わせて1時間
3、①電気通信術 電話 送話 文字数100 100点満点中80点で合格 2分間
②電気通信術 電話 受話 文字数100 100点満点中80点で合格 2分間
■試験科目の実施順序
【大教室にて】
1.電気通信術 電話 受話 2分間
↓
2.無線工学,法規 1時間
↓
【別室にて】
3.電気通信術 電話 送話 2分間
■使用テキスト
「完全合格 特殊無線技士 問題・解答集 」QCQ企画・編 誠文堂新光社
の問題集を使用しました。
こちらの問題集は、下記5資格分の問題集が掲載されているので大変お得だと思います。
・第二級陸上特殊無線技士(二陸特)
・第三級陸上特殊無線技士(三陸特)
・第一級海上特殊無線技士(一海特)
・第二級海上特殊無線技士(二海特)
・航空特殊無線技士(航空特)
■試験対策
■法規
問題を丸暗記で問題有りません。
■無線工学
問題を丸暗記で問題有りません。
日本無線協会のホームページより、過去3回分問題・解答をダウンロード出来ます。
問題集と合わせて解いていけば傾向が見えてきます。同じような問題を使いまわしていたり、少しだけアレンジしていますが、丸暗記で問題有りません。
■電気通信術 電話(フォネティックコード)
これが航空特殊無線技士試験の特徴になります。<送話>と<受話>2種類になります。
無線局運用規則第14条3 別表第5号に規定する欧文通話表による<送話><受話>になります。
<送話>
受話と筆記試験の大教室を退出する際に、番号札が渡されます。その順番で別室にて送話の試験が実施されます。ちなみに筆記試験途中退出が早ければ早いほど、送話の試験の順番が早くなります。
送話の試験の部屋に入ると一枚の用紙が渡されます。椅子と机が用意されていて、試験官と一対一で机に向かい合い送話試験を始めていきます。「準備できたらご自身のタイミングで始めてください。」とそのように試験官に言われた記憶があります。
受験生一例「始めます、本文、エクスレー、アルファ、チャーリー、シエラ、ズールー(一拍置いて)デルタ、キロ、ケベック、タンゴ、ジュリエット(一拍置いて)・・・、終わり」
と締めくくります。2分間で100文字です。つっかえず、無難に終えたら試験官の反応で合格だなと言うのが分かります。ちなみに管理人ソウの場合は、送話終了後、アドバイスとして「もう少しゆっくりでも大丈夫でしたよ。」と言われた記憶があります。
<受話>
一枚の用紙が配布されます。合計100文字を記入していきます。流れてくる放送5文字ごとにワンクッションありますので、5文字 × 20ブロック 記入していきます。
このような用紙に、放送で流れてくるフォネティックコードの単語について、文字記入していきます。記入する文字は、
1.大文字の楷書体
2.大文字の筆記体
3.小文字の楷書体
4.小文字の筆記体 ← オススメ!
1-4のどれでも構いません。記入は使い慣れたボールペンや万年筆、鉛筆やシャーペンでも構いません。
ちなみに圧倒的にオススメなのは、小文字の筆記体です。なぜなら、記入スピードを求め一画(で書ける文字が多い)で書こうとすると必然的にそうせざるを得ないからです。
管理人ソウは、小文字の筆記体以外<受話>のスピードにはついていけませんでした。逆にあえてコレ以外選択する方はいるのでしょうか?
ちなみに書くものは何でも良いですが、鉛筆がオススメです。そこそこ書くときの抵抗感、芯の折れにくさが速記の際には必要だなと感じました。
(例)
流れてくる音声放送 用紙に記入する文字
エコー e
ホテル h
ユニフォーム u
エクスレー x
ウイスキー w
(ワンクション時間を置いて・・)
デルタ d
アルファ a
シエラ s
ジュリエット j
チャーリー c
(ワンクション時間を置いて・・)
(繰り返しつづく・・・5文字のブロックを20回繰り返す。合計100文字。)
You Tubeで「フォネティックコード」や「電気通信術」など検索すると、練習に使えそうな動画が出てきますのでおすすめです。
■まとめ
航空特殊無線技士(航空特)の合格は、電気通信術 電話(フォネティックコード)の<送話>、<受話>にかかっています。
更に言うと、<送話>は自分のタイミングで可能ですが、<受話>は音声放送が流れてくるため、アルファベットを書くペースが一旦崩れると、どうにもならなくなります・・・。
この電気通信術 電話<送話><受話>に関しては、後に受験する一級海上特殊無線技士(一海特)でも、全く同じ事をやりました。
航空特、一海特どちらかクリアしているのであれば、電気通信術 電話は免除でも構わないと思っている方は多いんじゃないでしょうか?そのほうが試験する側も手間省けると思うのでうが・・・。何故やるのか不思議ですね。
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こんばんは。
管理人さん、とてもためになるサイト運営ありがとうございます。
趣味の領域で一級小型船舶+一海特受験に向け情報収集しようとネットサーフィンしていたところ、こちらのHPに辿り着きました。
残念ながら、表示されている欧文通話表に誤りを発見しましたのでコメントさせていただきます。
O,P,Qの箇所でPが抜けてしまったことで読み方がズレてしまっていませんか。
O: オスカー
P: パパー
Q: ケベック
R: ロメオ
が正ですよね。
気づいたので他の受験者様の誤解に至らぬようコメントさせていただきました。
余計なお世話かもしれませんが、皆様の前途ある未来に向け、各種無線資格への合格を陰ながら祈念しております。
Good Luck!!
One of the “Ossan” of Aeronautical Radio Operatorさん
管理人です。ご指摘ありがとうございます。早速訂正いたしました✅️
一級船舶と一海特受験のお役に立てれば幸いです👍️